「総務やさん」第1094号
●『ギャルマインド』は日本をアゲる?
・・・・吉子 泰仁(よしこやすひと)
つい先日、愛知県一宮市が「Z世代の観光誘致実装プロジェクト」をプレス
リリースしました。
このプロジェクトは「総勢18名の市職員と6名のCGO(チーフ・ギャル・オフィサー)が3コースに分かれて街歩きを敢行。名物の『一宮モーニング』を体験し、真清田神社などの歴史スポットをギャル独自の視点で切り取ります。その後、場所を『オリナス一宮』に移し、街歩きで得た『バイブス』を即座に形にする『ギャル式ブレスト(R)』を実施。8月以降のサービス実装(イベント・商品開発等)に向けたコンセプト立案を行います」とホームページにあります。
「チーフ・ギャル・オフィサーって何?」と声を漏らした方いらっしゃると思います。
これは「世の中のバイブスをアゲる↑」をミッションに、ギャルマインドを起点として日本社会の固定観念をポップに変えていく総合バイブスコンサルティング企業、合同会社CGOドットコムのギャルコンサルタントのことです。
お次は「バイブスって何?」となるかもしれません。
英語のvibrations、波動から出た言葉で”その場の雰囲気やノリ、感じ取る空気感”を指す言葉です。
そして「ギャルマインドって何?」と疑問は次々と浮かびます。
”ギャル”にはさまざまな定義や解釈があると思いますが、例えばAIに聞くと「自分を好きで、人生を前向きに楽しむためのメンタルスタンス」と説明してくれました。先のCGOドットコムでは、自分軸、直感性、ポジティブ思考をギャルマインドと定義しています。
さらに、商標登録されている「ギャル式ブレスト(R)」とは?
これは「忖度のない会議をつくる」ために、企業の会議にギャルが入り社員と一緒にアイデアを出し合うというものだそうです。
フラットに意見を言える場をギャルがつくるコンサルサービスで、以下の5つのルールがあるそうです。
1.ため口で話すこと
2.お互いをあだ名で呼び合うこと
3.役職や肩書は公開しないこと
4.5分以上沈黙しないこと
5.持っている服の中で一番好きな服を着ること
特に最後はギャルっぽいですね。
「世の中のバイブスをギャルがアゲる」直近の取り組みとしては、バレンタイン時期に「ギャル神社 byJR貨物 あなたの『好き』届けます。」という体験型イベントが行われました。
物流が持つ「想いを届ける力」とギャルが持つ「人の気持ちをアゲる力」を掛け合わせ、JR貨物の制服をアップサイクルしたお守り型キーホルダーを用いた祈願体験を提供するものだったそうです。詳しいイベント内容はぜひWEBでご確認ください。
皆さんは「ギャルの会議って……楽しそう!」と思われましたか。
それとも「いやいや会議にギャルはないでしょ」と思われましたか。
ギャル式の考え方は、心理学でいう“遊び心”の高さと対応しているように感じます。これは、心理学の”成人の遊び心”(Playfulness)研究のOLIWモデルで説明できます。
1.他者との遊び(Other-directed)
2.軽やかさ(Lighthearted)
3.知的遊び(Intellectual)
4.奇抜さ・ユニークさ(Whimsical)
これらは、ストレス軽減、満足度向上、創造性と革新性を促すものですが、この4つの尺度で測定したら”ギャル”はピカイチなのだろうと思うのです。
・「褒め力」「ノリの良さ」→ 他者との遊び
・「まあいっか精神」→ 軽やかさ
・「可愛い・楽しいの再定義」→ 知的遊び、
・「大胆な選択・個性の楽しみ」→ 奇抜さ・ユニークさ
私は、”失われた40年”にならないために、日本の企業はもっと「ギャルマインド」を取り入れていく必要があると思います。
ギャルマインドは、ノリのよさ・楽しさを重視する文化的スタイル以上に、他人の目より自分の素直な感情を大切にする自己肯定と反同調性、仲間との連帯やポジティブなコミュニケーションをとる他者肯定や受容性であると思われます。今後、そのギャルマインドが対立や分断を超えていくのではないかと、私は感じています。
【参考】
1.一宮市 2026年2月18日報道発表
「ギャル視点での魅力再発掘! Z世代の観光誘致実装プロジェクト」始動!
https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/shisei/houdouhappyo/1068631/1068846/1074579.html
2.alterna「JR貨物とギャルがコラボ: 制服を「お守り」にアップサイクル」
https://www.alterna.co.jp/168073/
3.OLIWモデル Proyer,2017
https://aplayfulpath.com/wp-content/uploads/2017/02/Proyer_OLIW.pdf
4.MDPI「プレッシャーの中の遊び心?従業員と学生の遊び心、ストレス、満足度の関連性を探る」
https://www.mdpi.com/2227-9032/14/4/431
5.スカンジナビア・ジャーナル・オブ・ワーク・アンド・オーガナイゼーション・サイコロジー
「職場での遊び:体系的な文献レビュー」
https://sjwop.com/articles/10.16993/sjwop.408
