「総務やさん」第1100号
●物価高騰における防災
・・・・野田 貴仁(のだたかひと)
熊本地震から10年が経ちました。
復興が進む一方、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。自然災害が頻発する今、防災は特別な準備ではなく日常の延長として考えるべき課題となってきています。さらに、エネルギー価格や物価の高騰が続く中、防災用品の確保や備蓄の方法も見直しが必要になっています。限られた家計の中で、どのように備えを充実させるかが問われています。
近年のエネルギー価格上昇は、防災対策にも影響を及ぼしています。石油製品やプラスチックを使う防災アイテムは製造コストが上がり、ランタン、防寒シート、給水バッグなどの価格が上昇しています。
また、輸送コストの増加は、災害時の物資供給体制にも負担を与えています。非常食やモバイルバッテリーなどの必需品も値上がりし、家計への負担から段階的に購入する人が増えているようです。一方で、長時間使える照明や燃料不要のエコストーブなど、環境とコストに配慮した製品の需要が高まっています。
物価上昇時代の「コスパ」は、単に安さを求めるのではなく、価格と性能、耐久性のバランスを重視する考え方です。防災用品では、災害時に確実に役立ち、長期保存が可能なものほど価値が高いといえます。非常食や保存水は多少高くても長期的には無駄のない投資となり、予測困難な災害に備える上で重要になります。
とはいえ、物価が上がる中でも最低限ある程度の防災アイテムは揃えておきたいものです。
飲料水、簡易食、簡易トイレ、ライト、防寒具などは比較的手頃に購入できます。例えば、100円ショップでも懐中電灯やアルミシートなどの基本的な防災用品を揃えることができます。これらの低価格品と、機能性の高いアイテムを組み合わせることで、家計に負担をかけずに準備を進められるのではないでしょうか。
また、手回し発電ラジオやソーラー対応バッテリーなど、エネルギーを自給できるアイテムは価格と性能のバランスが良く、災害時の通信手段としても有効です。非常食ではアルファ米やフリーズドライ食品、缶入りパンなど、保存性と栄養価を兼ね備えた商品が人気です。
断水に備えてはウォーターバッグや浄水器が役立ち、LEDランタンは省エネで長持ちするためコスパの高い選択肢です。防寒対策としては、軽量で保温性の高いブランケットや多機能ウェアが有効です
物価上昇に負けない工夫として、リサイクル品や中古市場の活用もあります。未使用に近いランタンや毛布が安く手に入る場合もありますが、非常食などの消耗品は新品を選ぶことが重要です。ほかには、自治体の配布物や防災イベントを活用すれば、無料で情報や支援を得ることもできます。長期保存品はセール時期を狙って購入し、少しずつ備蓄することで無駄を抑えられます。
熊本地震の経験が示すように、災害時には物資不足が深刻化し、事前の備えが命を守る鍵となります。エネルギー価格や物価が変動する今こそ、防災の重要性を再認識し、無理のない範囲で計画的に備えを進めることが求められています。自分の生活環境に合った防災計画を立て、自治体の情報やアプリを活用しながら、長期的に続けられる減災対策を整えていくことが大切です。
