「総務やさん」第1093号

●高市政権の将来?

・・・・(株)総務システムサービス
代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)

 衆議院選挙での大勝を受けて発足した高市政権に、注目が集まっています。経済や外交など、政権運営に影響を及ぼす可能性のある課題を踏まえつつ、高市政権の将来の展望を整理してみました。

1.強力な政権基盤と政策推進力
 衆議院選挙での圧勝が大きな追い風となっています。
 自民党が単独で約316議席・与党全体だと350議席以上の圧勝となり、高市政権は強力な国会運営基盤を確保しました。国際的な注目も高まっているようです。これにより、消費税率の一時的な引き下げや、防衛・外交政策の見直しなど主要政策を進める余地が広がっています。

2.直面する課題と逆風
 専門家の中には、物価高対策が十分でないとの指摘もあります。例えば、経済学者は「期待外れの対応が続けば国民の不満が高まる」と予想しています。
 企業や投資家の期待が高い一方で、生活者の間では不安も残り、支持層の分断を懸念する声もあります。強硬な政策運営に対する慎重論も一定数存在しているようです。
 また、中国や韓国などとの国際関係ではさらに緊張が高まる可能性が指摘されており、高市政権の強硬姿勢が摩擦を生むのではとの懸念もあります。

3.想定される将来のシナリオ
・パターン1:長期安定政権へ
 圧倒的な議席と政策推進力を背景に、2028年頃まで安定政権を維持する可能性があります。経済政策、税制改革、防衛・外交政策が着実に成果を上げれば、支持基盤はさらに強化されるでしょう。

・パターン2:中期で足場が揺らぐケース
 物価高や生活実感との乖離が続けば、支持率低下につながる恐れがあります。主要政策が国民生活に結びつかなければ、野党や第三勢力に勢いを奪われる可能性が高いでしょう。また、今後の総裁選や地方選挙、統一選の結果次第では党内基盤が揺らぐリスクも指摘されています。

 高市政権の行方は、政策の実行力と国民の評価によって大きく左右されるでしょう。今後の動向が注目されます。


●労働者の意識調査

・・・・山中 一(やまなかはじめ)

 人手不足が続いています。少子化で若者の求人が難しくなっていることもあり、どこの会社も頭を悩ませていることと思います。
 やみくもに求人広告を出すだけではなく、実際の労働者の声を確認してみることも大切ではないでしょうか。

 9月30日に厚生労働省から発表された「令和7年版労働経済の分析-労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて-」では、現在の労働環境や賃金等の動向などの調査結果がまとめられています。
 その調査項目の1つに「労働者の意識変化」というものがありました。「働く目的」と「理想だと思う仕事」のアンケート結果が求人の肝になると思いますので、以下に紹介します。

・働く目的
 2001年は
「お金を得るために働く」    50%
「生きがいをみつけるために働く」24%

 2024年には
「お金を得るために働く」    63%
「生きがいをみつけるために働く」13%

・理想的だと思う仕事
 2010年から2024年まで「収入が安定している仕事」がダントツで1位となっており、2010年には「収入が安定している仕事」に次いで回答の多かった「自分にとって楽しい仕事」が順位を落とし、最近では「私生活とバランスがとれる仕事」が2位に浮上しています。

 この2つのアンケートから、物価高が続き、実質賃金が下がっている現在、必死に働かなければ生きていけない状況を読み取ることができます。さらに、かつては「生きがい」や「楽しさ」を重視して仕事を選んでいた人も、最近はそんな余裕がなくなっているという厳しい環境が見えてきます。

 かつて新しくコストコが開店した際、「地元のパートがこぞってコストコに応募し、周辺企業が人員を確保できなくなった」という話題がありました。コストコの強みは、周辺の競合店を大きく上回る時給を提示することで優秀な人材を集め、給与水準が高いため離職率も低く、結果として教育コストを抑えられる点にあります。

 人材育成がいかに大変かという認識は、多くの方が共有しているでしょう。教育のために自分の手を止め、何度も質問に答え、ようやく一人前になった頃に辞められてしまい、落胆した経験のある方も少なくないはずです。それでも後継者を育てることは、企業が発展していくうえで欠かせない取り組みです。

 今後は、労働時間の管理やハラスメント防止など社内環境の整備に加え、どれだけ賃金を提示できるかが企業存続の大きな鍵になると考えられます。

【参考】
1.厚生労働省
「令和7年版 労働経済の分析 -労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて-」
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/25/25-1.html

2.ダイヤモンドオンライン「コストコ、イケア、まいばす…成長チェーンが
  中小企業にトドメを刺す『残酷な未来』」
https://diamond.jp/articles/-/368331